原子力エネルギーの研究開始
長期的な観点から原子力エネルギーがシンガポールにとってオプションになりうるかどうかについて、複数の関係者からなるグループによるフィージビリティ・スタディが、今年後半から通商産業省の主導で始まることになりました。
これは、通商産業担当のイスワラン上級国務大臣が明らかにしたもので、この研究は、まず自分たちが原子力エネルギーを十分に理解するとともに、あらゆる考え方や条件、課題などを踏まえて客観的な評価をすることを目的にしているということです。
これまでの原子力発電に対する国民の関心は、シンガポールの国土の狭さと人口密度の高さからくるリスクということにあり、従来はシンガポールにとって原子力発電という選択は考えられていませんでした。
しかし、近年、原子力発電については技術開発が進んだほか、原子炉もより小さく安全なものになったほか、コストも安くなり高レベル放射性廃棄物の量も少なくなってきたため、シンガポールでも実現可能性に関する研究をすることになったということ。
イスワラン大臣はまた、原子力エネルギーは潜在的に、エネルギー安全保障の強化に貢献し、二酸化炭素排出を抑え、原油と天然ガスの価格変動を和らげることにつながるとしているほか、スイスのような小さな国や日本のような島国でもこれまで原子力エネルギーを進めてきたことを例に挙げています。
また、原子力に関する知識を深めていくことは診断医学とがん治療への応用に対してもメリットがあるとしています。
大臣の発言を聞くと、原子力エネルギーの研究に非常に前向きのような印象を受けましたが、やはり非常に小さな都市国家のシンガポールですから、原子力発電所を作るとかいうことを前提とした研究に対しては、国民の中で大きな議論を呼ぶことになるかもしれませんね。
