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2006年2月10日

高齢化社会に向けた取り組み

シンガポールでも高齢化の進行が大きな社会問題になりつつあるようです。現在、65歳以上のシンガポーリアンは30万人ですが、今後6年のうちにベビーブーム世代が65歳を迎え、2030年には65歳以上の人口が100万人近くに達するだろうと見込まれています。

今回、高齢化問題委員会の報告が出されましたが、報告では、今後シンガポールが高齢化社会にうまく対応していくためには、住居の選択肢を増やすことと高齢者のための環境を整えることが重要だとしています。

報告のトップは、高齢者に優しい住居の選択ということです。具体的に、シンガポールでは99年間の借地が一般的ですが、退職した高齢者には、それよりも短期の30年程度の借地の方が、借地料が手頃となるため適当だろうということで、これまでよりも短期の借地方式を提案しています。また、リバース・モーゲージ(逆住宅ローン。不動産を担保にして、毎月一定額の融資を受け、契約期間終了時(死亡時など)に担保不動産を処分して融資金を一括返済する制度。)の活用も提案しています。

さらに、シンガポールでは、体の障害の程度が軽いお年寄りでも、家から外出して、道路を横断し、買い物をするということができないために、老人介護施設に入らざるを得ない人も多いということで、高齢者が外出しやすい環境整備が重要だとしています。具体的には、車いすでも気軽に外出できるよう、HDB住宅にスロープ、段差のない歩道、舗装された道路などを備えるように求めています。

また、高齢者にとっては、健康管理のコストが増えていくことも大きな課題だとして、将来の医療費に備えて、家計に余裕があればいつでも、メディセイブ(医療費に充てるための積立金)に多く積み立てができるようにすることを提案しています。そして、高齢者の健康管理のためには、家庭医が大きな役割を果たすだろうとしています。家庭医がいれば、いろいろと具合の悪いところがあっても、それぞれ別のクリニックに行かなくても、一人の家庭医のところですべての診療ができるようになるため、コストも減らすことができるということ。

委員会では、政府がこの報告での提案を実施すれば、数年以内に効果が現れるだろうと言っています。

シンガポールでも少子高齢化が進んでいるということは、何度か紹介しましたが、「少子」の方は、政府の対策の効果が出てきたのか、出生率が少し上がったそうです。

出生率の低下に歯止めがかからない日本とは対照的ですが、シンガポールは、日本と比べて国土も小さく人口も少ないために、政府がある政策に取り組んだ場合、その効果が出てくるのが早いということなのでしょうか。それとも、政府が優秀なのでしょうか。

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