ちょっとタスマニア2
ローンセストンを出発し、3時間ほどで州都ホバートに到着しました。ホバートでは、タスマニアで数少ない高級ホテルのホテル・グランド・チャンセラーに泊まりました。ローンセストンもそうでしたが、ホバートにも、カジノ付きの高級ホテルが郊外にあるということで、カジノというと、どうも金持ちの紳士淑女の皆様方が着飾ってギャンブルを楽しんでいらっしゃるというイメージがあるのですが、タスマニアのカジノは、退職されたご老人の方々がメインのお客さんで、皆さんつつましくギャンブルを楽しんでいらっしゃるということのようです。
ホバートは、人口18万人の都市であり、ローンセストンに比べると人も多く、街もそれなりに大きいのですが、爽やかで緑が多く、のんびりしている街というイメージは変わりなく、街並みも煉瓦造りの歴史ある建物が多く、やはりヨーロッパの雰囲気を持っていました。ホバートは港町なのですが、1804年に町の建設が始まったという、オーストラリアではシドニーに次ぐ第二に古い町と言われています。捕鯨が盛んだった頃には、中継基地としても栄えたということで当時の石造りの倉庫が残っています。日本のマグロ漁船も時々入港するということでした。
ホバートでもメインは仕事で、光栄なことにタスマニア州首相が歓迎レセプションに招待してくださるということもあったのですが、ホバートに到着したのが日本を離れて五日目ということで、私も、一緒に行った方々も、そろそろ胃が日本食をリクエストするようになってきたため、ホバートで日本食レストランを探したのですが、さすが州都で、日本食レストランもいくつかあるということで、私たちは港にある寿司屋に入りました。タスマニア周辺では水産資源が非常に豊富で、日本でも有名なアトランティックサーモンの養殖のほかに、様々な魚も捕れますし、大きなロブスターもあります。
このロブスターはアメリカ等で採れる、はさみの大きなロブスターではなく、日本の伊勢エビと同じ種類のものなので、刺身にするとものすごく美味しいです。また、カキ、ムール貝を養殖しているほか、天然のアワビ、ウニなども採れるということで、日本食屋さんも食材には困らないのではないでしょうか。私たちの入った寿司屋も日本人の方がやっていて、日本の味そのままの料理を堪能することができました。実は、タスマニアの後にメルボルンに行き、そこでも日本食レストランに入ったのですが、オーストラリアでは日本食が大人気だということで、他の料理に比べると値段もかなり張るということですが、それでも、広い店内がオーストラリア人で大にぎわいでした。でも、魚の新鮮さではホバートの寿司屋さんの方が勝っていたような気がします。

日本食ということでは、実はタスマニアでは蕎麦が栽培されているのです。これは、日本の製粉会社が現地の企業と合弁で作ったもので、日本の蕎麦が取れない時期に、季節が逆のタスマニアから蕎麦を持ってこようというアイディアで始めたそうです。ただ、タスマニアで取れた蕎麦はすべて日本に輸出してそば粉にされるということで、タスマニアで取れた蕎麦をタスマニアで食べることはできず、どうしても食べたければ日本でそば粉にしたものを輸入するということになるようです。
御存知の方も多いと思いますが、タスマニアには不思議な動物がたくさんいて、既に絶滅したと言われているタスマニアン・タイガーのほか、タスマニアン・デビル、ウォンバット、ワラビー、カモノハシといった変わった動物がたくさんいます。しかも、結構どこにでもいるようで、ウォンバットなんかは、車に轢かれて死んでしまったのが路上にごろごろしていたりするそうです。
タスマニアン・デビルは、ホバートの郊外にあるボノロング・パーク・ワイルドライフ・センターで見たのですが、毛の色が黒いとは言え、一見すると結構かわいいのですが、ウサギ(だったかなあ?)の生肉をむしりながら食べている姿を見ると、デビルと名付けられたのもわかる気がしました。また、このセンターにはコアラもいるのですが、オーストラリア本土では動物園でコアラを抱くことが禁止されたそうで、今はできないようですが、タスマニアではまだ大丈夫だということで、私も年甲斐もなくコアラを抱っこして、写真まで撮ってきてしまいました。どうしてもコアラを抱きたい方は、タスマニアへどうぞ。
このように、仕事がメインとは言え結構楽しんでタスマニアを後にしたのでした。でも、タスマニアもいろいろと問題を抱えているようで、オーストラリアの中では経済的には立ち後れているため、日本の田舎と同様過疎化が進んでいるということで、若者がシドニー、メルボルンといった本土の大都市にどんどん出ていっているということです。確かに、街を歩いていると、元々あまり人は多くないのですが、若者がすくないなあという感じがしました。このため、州政府は産業振興を図って様々な施策を行っているということですが、おもしろいのが、海外からの留学を積極的に進めているということで、日本の留学生の誘致のためにも、いろいろと活動しているということです。
確かに、アメリカなどの大都市に比べると安全だし、子供への誘惑も少なく環境は非常によいと思います。タスマニアに留学すれば、皆さん勉強に打ち込むことができるのではないでしょうか。ただ、アメリカ英語と比べて発音にくせがあるオーストラリア英語を覚えちゃって大丈夫なの?というのが、ちょっと心配ではありますが。私も、オーストラリアに行ってから、この発音の違いに慣れるまで結構苦労しました(例えば、「today」は「トゥデイ」ではなく「トゥダイ」と発音します)。
いずれにしても、日本から行くにはちょっと遠いのですが、タスマニアは、是非もう一度、今度は家族と行ってみたいと思わせる、非常に魅力的な所でした。
最後に、タスマニアという名は、1642年にタスマニアを発見したオランダ人の探検家の名前に由来しているということで、その人の名は「アベル・タスマン」だそうです。彼は実は日本に行った後にタスマニアを発見したということで、タスマニアは、実は日本とは深い縁があったのです...

コメントする