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1998年5月 7日

コンドミニアム

私と家族が住んでいたのは、シンガポールの空の玄関口チャンギ空港から市街地に続くイーストコースト沿いにあった民間のコンドミニアムで、街にある職場までの通勤は路線バスで30分くらいかかり、あまり便利ではなかったのですが、海に近いことと環境がよいだろうということで決めた部屋でした。

20数階建ての棟がいくつかあるという、シンガポールでは普通の大きさのコンドミニアムで、各棟の各階には3世帯ほどが入るくらいの感じなので、数百世帯は住んでいたことになります。ファシリティーもプール、スカッシュコート、エクササイズ・ジム、子供用の遊び場、地下駐車場、ミニマーケットなど、大体のものは揃っていました。もちろん、私が日本にいるときの住居とは比べ物にならないようなりっぱな建物で、日本に戻っても、一生こんな家には住めないだろうなあというくらいのすごい建物で、家賃も月数十万円というものでした。

でも、ここで勘違いしていただきたくないのは、わざわざこんな立派なコンドミニアムを選んだわけではなくて、シンガポールの住居としては民間のコンドミニアム以外には政府のHDB住宅(公団住宅のようなもの)があるのですが、そのHDB住宅というのは、外国人が政府から直接賃借できないようでした。もちろん、直接でなければ、あるいはシンガポールリアンが所有しているものであれば可能のようで、日本人でも住んでいる方はいらっしゃるようでしたが、シンガポールに慣れた方でなければ、なかなか難しそうでした。

したがって、外国人居住者が通常住むのは、このような高級なコンドミニアムしかないということです。このコンドミニアムに住んでいるのは、外国人の他は、お金持ちのシンガポーリアンで、皆さんお手伝いさんを雇ってベンツなどの高級乗用車に乗っているという人たちのようでした。私の住んでいたコンドミニアムには、テレビによく出るタレントが住んでいるらしくて、妻がよく見たと言っていました。もっとも、さらに裕福なチョー大金持ちのシンガポーリアンは、数億円はするらしい庭付き一戸建ての家に住んでいるということになりますが...

私が住んでいたコンドミニアムには、日本人家庭も数十世帯は入っていたようで、ご主人方はあまり行き来はないようですが、奥様と子供たちは、少し涼しくなった夕方に子供の遊び場に子供を連れていって遊ばせ、奥様方もおしゃべりに花を咲かせるという生活をしているのが普通のようで(どこのコンドミニアムでも同じようです。)、外国という土地で生活していることもあって、日本人同士でのつきあいが多いようでした。

高級コンドミニアムだけあって、部屋も広く、私の家はリビング、ダイニング、キッチンのほかベッドルームが三つあり、そのほか、住込みの手伝いさんの部屋がキッチンの奥にありました(お手伝いさんのいない我が家では納戸にしていました)。トイレ付きのバスルームも二つありました(お手伝いさん用のトイレ兼シャワールームもありました。)。面積は全部で170平方メートルくらいはあったようです。家具付きで探したので、テーブルやソファー、ベッド、テレビ、冷蔵庫といった家具や電気製品も大きなものは揃っていて、それだけでも十分生活できます。ただ、部屋が広いといっても、2年間しか住まないわけですから、自分で家具を買うことはできるだけしないようにしたため、部屋の中は家具がなくガラーンとしていて、空間だけが広くて、子供が三輪車を部屋の中で乗り回していました。

お手伝いさんのいない我が家にとっては(一時期はどうしても必要でお願いしましたが)、掃除が大変で、窓を開けエアコンを付けないで家中の拭き掃除をすると、1回で数キロはやせる、といつも妻がこぼしていました。なお、シンガポールでは家の床は、タイルか石なので掃除は掃除機を使うほか、水ぶきします。暑い国なので、タイルの上を直に歩くとひんやりとして気持ちがよかったです。また、壁・天井はコンクリート?にペンキを塗っただけで、これも涼しそうでいいのですが、画鋲や釘を打つことができないので、壁にものをかけることができませんでした。何とか釘を打とうとしても壁がぼろぼろと崩れてきて、退去時にデポジット(敷金)をできるだけ多く返してもらいたい入居者の私にしてみれば、怖くてなかなかできませんでした。

<ここに住んでいました>
ここに住んでいました

 

そのほかは、なかなか住みやすい家だったのですが、エアコンが頻繁に壊れるのには参りました。これは特別なことではなくて、シンガポールでは日本と違ってほとんど毎日といっていいほどエアコンをかけているため、エアコンの排水パイプにごみが詰まり、水が流れずにエアコンの室内機からポタポタと流れてくるというものです。コンドミニアムに入居するときの契約条件として、入居者は定期的に業者に頼んでエアコンの掃除をすることというのが必ず入っているのが普通なのも、そうしないとすぐ壊れてしまうからです。我が家でも最初は、別に掃除をしなくてもオーナーにはわからないだろうと業者に頼まなかったのですが、入居して数か月後、いきなり水がエアコンから漏れてきて、あわてて業者に掃除を頼みました。

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