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1998年5月11日

シンガポールの水

「シンガポールの水道は、そのまま飲用に供することができるという東南アジアでも数少ない国です」と、私もシンガポールに来るまでは思っていたのですが、実はこれが(我が家に限っては)、違っていたのでした。

確かに、シンガポールの水道水は、飲用にできると政府が保証するきれいさなのですが(ただし、味は別にして)、私の家族が住んだコンドミニアムに問題があったのです。私らが住んでいたコンドミニアムは、まだ新築後1年くらいしか経っていないということだったので、部屋もきれいで、設備もしっかりしているだろうと思っていたのですが、ある日、シンガポール政府の職員だったのでしょうか?、とにかく、どこかのスタッフがコンドミニアムの各部屋の水道の水質検査にやって来て、その後、少ししてから、我が家にレターが送られてきました。

それによると、我が家の水道の水は検査した結果、水質に問題があり、飲めませんということだったのです。はじめ、どうしてそういうことになったのか、全くわからなかったのですが、同じコンドミニアムの人たちにいろいろと話しを聞くと、このコンドミニアムは、理由はわかりませんが、完成後数か月の間、誰も入居せずにそのままの状態になっていたということで、それが水が汚れる原因ではないかということでした。水道のパイプというのは、取りつけてすぐに使いはじめて水を流した状態にしていないと、中がさびてくるということで、このさびが、どうも水道の蛇口から出てきているようでした。

<ブギスの横断歩道 >
ブギスの横断歩道

 

ということは、我が家が入居してから検査の結果が出た数か月の間は、我が家では、この汚い水をそのまま飲んでいたというわけです。そう言えば、最近どうも体調が悪いなあとか、急に心配になったりして...  でも、シンガポールの一般家庭でも、水道の水をそのまま飲んでいることは、実はあまりないようで、大体が、一度沸騰させた水やミネラルウオーターを飲んでいるということを後で知って、無知なのは我が家だったのかと反省してしまいました。

それで、どうしようかということになり、各入居者は、部屋のオーナーと相談してオーナーに何とかしてもらうことにしました。このトラブルは建物そのものに原因があるのですから、入居者ではなくオーナーの責任で直してもらうことになりますからね。もちろん、オーナーは、このコンドニミアムを買った先のもともとの建築主にクレームをつけたのでしょう。

いずれにしても、対策としては、パイプをきれいにするためのクリーニングを行うということと、水がきれいになるまでの間は、水に問題がある家庭(すべての部屋の水がダメというわけではなく、きれいな水が出ていた家庭もあったようです)に、ペットボトルの蒸留水を無料で配ってくれることになりました。その経費は誰が負担していたのかよくわかりませんが、とにかく、月に一度くらい、1.5リットル入りのペットボトルの水が我が家に数十本届けられることになったのです。でも、いくらたくさんのペットボトルと言っても、料理からなにから全部に使っていたのでは、すぐになくなるということで、我が家では、簡単な浄水器を買って、料理用には、その水を使っていました。

その後、水道管のクリーニングも行われました。このクリーニングというのは、我が家に入っている水道管の端から、液体を流し込むと反対の端から汚れと一緒にその液体が流れ出てくるというもので、その流れ出てきた泥色の液体を見て、あまりの汚さに、びっくりしました。クリーニングもしてもらい、水質検査も何度かしてもらっているうちに、我が家の水は、やっと飲めるようになったのです。ところが、ペットボトルの水に慣れてしまった我が家では、もう、水道の水は直接飲むことはなくなってしまいました。そして飲用には、スーパーで買ったミネラルウオーターを飲むようになってしまって、かえって高くつくようになりました。シンガポーリアンもおいしい水が飲みたいのか、スーパーには、たくさんの種類のミネラルウオーターが並んでいます。こういうことだったら、我が家の水道管は、ずっと汚いままでいいから、蒸留水のペットボトルを、ずっとくれないかなあと家族で話したものでした。

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