シンガポールに住む日本人
シンガポールの日本人社会というのは非常に大きく、3万人ほどの日本人が住んでいると言われていました。シンガポールの人口300万人の1%にもなります。これに日本人観光客が加わるわけですから、実際、街を歩いていると、かなりの確率で日本人に会うことになります(どういうわけか、日本人かどうかというのは、すぐわかってしまいます。着ている物や髪型、化粧の仕方など微妙にローカルの人と違うのでしょうね。)。特に日系のデパートの中にある書店にでも入ろうものなら、シンガポール人より日本人の数の方が多いです。
日本人居住者が多い理由は、まず、シンガポールが日本人にとって非常に生活しやすい国だということがあります。シンガポールに赴任する人は大部分が家族連れでやってくるというのが住みやすさの証拠だと思いますが(住みにくい国には家族は連れていけませんね)、まず、日本のものは、少し高いのを我慢すれば日系のデパートやスーパーマーケットで何でも揃います。私が住んでいたときには、なんと宅配の弁当屋さんができて、電話で注文すると日本式のお弁当(いろいろな種類があります。)を1時間くらいで家まで配達してくれました。他にも立派な日本人小学校・中学校もあるし、日本語が話せるクリニックもあり、また治安も日本と同じくらいよいということで、日本にいるのと同じか、日本以上に快適な生活ができます(特に本州のはずれの某県に住んでいるのと比べると...)。
日本の書籍についても本屋に行けば大体揃います。ただ、雑誌については、日本より数週間は遅れて店頭に並びます。また、シンガポールには、日本人(特に男性)には悪名の高い本の検閲というか検査があり、少しでも青少年に悪影響を及ぼすような類のグラビアや絵のついたページは、ページごときれいに切り取られています(実際には、書店側で自主的に切り取っているようですが)。私の聞いた話では、シンガポール在住の日本人男性が、日本にいる友達に頼んで週刊誌等を送ってもらったところ、早速税関から呼びつけられ、こっぴどく叱られたそうです(でも、その男性は最後まで、この荷物は誰かが自分を陥れるために送ってよこしたもので、私にはまったく身に覚えがないと言い張ったそうですが...)。
いずれにしても、シンガポール在住日本人男性への最高のお土産は、切り取られていない日本の週刊誌ではないかと思いますので、シンガポール在住の日本人の男性の友達に会いに行かれる方は参考にしてください(断っておきますが、もちろんそういう種類の本をシンガポール国内に持ち込むのは違法です。いくらシンガポールに入国するときの税関審査がものすごく甘くて(特に日本人には)、係員さえも立っていないので素通りだとは言っても...)。

新聞についても、日本の全国紙二紙が通信衛星により日本と同時に印刷され、同日の朝に配達されます。その他の新聞も次の日くらいには入手することができますし、街のコンビニエンスストアでは地方紙(東北地方では河北新報がありました)も買うことができました。ただ、いずれにしても日本のものを手に入れようとすれば、日本で手に入れるよりかなり高くつくことになり、新聞の購読料は月に1万円ほど、本・雑誌の類は日本の3倍はしていました。また、在住日本人向けの星日報(しんにちほう)という週二回発行の新聞もあって、日本やシンガポール等のニュース記事のほか生活に役立つ情報も載っていて、我が家でも購読していました。
このように、日本人には住みやすいシンガポールだったため、私の住んでいるアパートでも日本人家族が数十世帯は住んでいたようで、日本人の方とのつきあいも多くありました。ただ、日本人が多すぎるため、日本人とのつきあいに終始してしまい、逆にシンガポール人とつきあう機会が少なくなってしまうということもあります。私の家族の場合も、私は普段は事務所の日本人の同僚くらいしかつきあいがありませんし、妻も同じコンドミニアムに住んでいる日本人の奥さんと一緒にコンドミニアム内の遊園地で子供たちを遊ばせたり、子供たちが幼稚園に行っている間は、一緒に買物に行っていたようで、あまり国際的とは言えない生活でした。そういう意味では、私の子供は、ローカルの幼稚園に通っており、そこではほとんどがシンガポールの子供たちでしたし、先生もシンガポーリアンで英語又は中国語しか使っていないようで、一番国際的な生活をしていたのかも知れません。

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