日本人の季節感
シンガポールと日本は気候がまったく異なるので、生活を始めると様々な点で日本との違いを感じるようになってきます。
まず、朝起きるときに感じたのが、シンガポールでは朝6時頃までは真っ暗なのですが、6時30分頃になると急に空が明るくなりだして、7時頃には完全に朝になってしまいます。その間、30分くらいです。日本の場合だと、四季によって違うのでしょうが、5時とか6時くらいから1時間以上かけてだんだんと明るくなってくるような気がするのですが。赤道に近いせいではないかとか、勝手にいろいろと考えたのですが、もっとも、これは私の気のせいのような気もしないでもないので...皆さんいかがでしょうか?
それから、シンガポールの日本人駐在員の間で言われていたのが、シンガポールに来ると、季節感がなくなって、もの忘れをするようになるというか、もの覚えが悪くなるということでした。どうしてかというと、日本に住んでいる時は、何かの出来事を記憶する際に、その時の気候、季節に関連付けて記憶しているものだということで、例えば桜が咲く季節に入学式をしたとか、雪が降っていたときに結婚したとか、その季節を思い出すことで、その時の思い出の場面が鮮明によみがえってくるということが結構あると思います。四季のある日本に住む日本人は、自分では知らないうちに、その時の季節と関連付けて記憶をするのだということは、よく考えるとなるほどなあという気もします。
ということは、四季がないシンガポールでは季節と関連付けて記憶をするということができないため、前の記憶を呼び起こそうとしても、なかなか難しいということになりますね。本当にこういう理由によるものか、あるいは、単に暑いために頭がぼーっとしているからなのかはわかりませんが、私も、確かにシンガポールに住んでいた時のいろいろな出来事がいつ頃あったのかということや、いくつかの出来事が起こった順番というのが、結構あいまいなような気もします。

また、日本では普通、天気が晴れていると「よい天気」ということになりますが、シンガポールでは、曇っているのがよい天気だそうで、ある晴れた日にタクシーに乗った日本人が、ドライバーに「今日はよい天気ですね。」と言ったら、「いや、今日の天気は晴れていて、あまり良くないよ。」と言い返されたとか...。確かに、シンガポールでは、晴れている日にはあまり外に(特に、歩いて)出かける気にはなりませんね。
南国シンガポールには、当然のことながらスコールがあります。もちろん、雨季と言われる時期がありますが、この時期は、別に一日中雨が降っているわけではなくて、曇りの天気が続き、時々雨が降るという感じです。雨は、一年を通して、晴れているとか曇っているとか関係なく、突然雲が出てきて雨が降り出します。ものすごい雨の時は、かさをさしていても全く関係ないくらい降ります。でも、暑い国なので、少しぐらい雨に濡れても気にならないというのはあります。
シンガポールでは、家から出かける前に晴れているからといって、外出中に雨が降らないという保証はないので、私は、シンガポールに住むようになってから、バッグに必ず折畳みの傘を入れて外出するようになりましたが、その習慣は日本に帰ってからも続いていて、私のかばんには折畳み傘がいつも入っています。
季節感ということでは、日本でも、1年のうちの様々な時期に昔からの伝統的な行事があり、それによって季節を感じるということもありますが、シンガポール駐在の日本人が、日本の伝統行事をシンガポールに持ち込むということもあります。例えば、シンガポールでも七五三の時期になると、日系のホテルでわざわざ日本から神主さんと着付けの美容師さんたちを呼んで七五三をしていました。申込みをすると、貸衣装の着付けから祈祷からすべてやってくれます。もちろん千歳あめもおみやげにくれます。我が家の長女もシンガポールで3歳になったので申し込んだのですが、当日はたくさんの日本人家族がやってきていました。わざわざシンガポールに来てそこまでしなくてもという感じもしなくもありませんが、不思議なもので、シンガポールにいるからこそ、逆に子供には日本の伝統的な行事をさせなければという気持ちが強くなってしまいます。

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