シンガポールのお正月
シンガポールでは、正月というのは、普通の1月1日のお正月のほかに、中国系シンガポーリアンのための中国正月(旧正月、チャイニーズニューイヤー、2月中旬頃)、マレー系シンガポーリアンのためのハリラヤプアサ(イスラム教の断食明けのお祝い、1月頃)、インド系シンガポーリアンのためのディーパバリ(ヒンズー教の光の祭り、11月頃)といった四つの正月?のようなイベントがあります。
シンガポーリアンにとっては1月1日は祝日になっているので、お休みになることはなるのですが、別に普通の休日とあまり変わらないもののようで、1月2日から普通に仕事をするようです。私の勤務していた職場は、基本的に休日はシンガポールの休日に従うのですが、正月休みだけは日本の官公庁にならって、12月29日~1月3日までが休みになります。民間の日系企業もそういうところが多いのではないでしょうか。

ということで、日本人駐在員というのは正月休みは日本に一時帰国するとか、家族で海外に旅行に行くとかいうパターンが多いようでした。我が家でもシンガポールで迎えた最初の正月は、家族でインドネシアのジャカルタから船で3時間くらいのところにある小島プロウスリブに遊びに行きました。また、中国正月の時には二日間連続の祝日になるため、この時も海外旅行に行く家族が多いのですが、この中国正月の時は、日本人駐在員だけではなく、シンガポーリアンも海外に遊びに行こうという人が多く、ものすごい海外出国ラッシュとなるため、よほど早いうちからツアーや航空券の予約をしておかないと、海外旅行の予約をとることができません。しかも、この時期はツアー代金もものすごく高くなります。
クリスマスが終わると、次に中国正月がやって来るので、街ではクリスマスの飾り付けが外されてまもなく、中国正月の飾り付けがされてにぎやかな雰囲気になります。また、正月のための様々な商品が店で売られるようになり、特にチャイナタウンでは仮設の遊園地ができたりと非常ににぎやかになり、この時期は我々日本人も、なんとなくうきうきした気分になってきます。
我が家では、中国正月の時は結局シンガポールでじっとしていることにしました。最初は、レンタカーを借りてシンガポールの国内を歩きまわろうと思ったのですが、レンタカーも1週間でレンタル代が10万円以上と特別料金になっていて、あきらめました。その代わり、職場のローカルスタッフが家に招待してくれて、中国正月の気分を味わうことができました。なお、シンガポールでは、新年のあいさつとして「新年快楽(シンネンカイラー)」とか「恭喜発財(コンシーファーツァイ)」と言うのですが、新年快楽の方は、日本の「新年おめでとう」というような意味なのですが、恭喜発財の方は「儲かりますように」というような意味で、さすがに中国的な考え方だなあという感じです。
また、この時期は日本の正月と同様、休みになる店が多く、初めて中国正月を迎えた私は、職場の同僚から食べ物を買いだめしておいたほうがいいと脅かされたのですが、実はスーパーマーケットなんかはちゃんと開店していたのでした。何か最近のY2K問題のようですね。また、中国正月の時はタクシーもつかまらなくなるとも噂されたのですが、ちゃんと拾うことができ、その時のドライバーに「今日も仕事で大変ですね。」と言ったら、「お金のためだから仕方がないよ。」と言っていました。祝日の時は、タクシー代は割増料金があるので、結構儲かるのでしょう。
それで、中国正月の時は結局、職場のローカルスタッフ二人が自分達の家に招待してくれて、中国正月の気分を味わうことができました。一人目のローカルスタッフの家は大部分のシンガポーリアンが住んでいるというHDB住宅でしたが、家の中には日本の神棚のような感じで大きな祭壇があり、何を信仰しているのかは私にはわかりませんでしたが(仏教だと思います)、中国系シンガポーリアンというのは意外(すみません、失礼ですね。)と信仰に厚いのですね。また、二人目のスタッフの家は、シンガポールでは珍しい一軒家で、お父さんが何か事業をやっているとかで、かなり裕福な家だったのですが、いずれにしても中国系シンガポーリアンの旧正月も日本の正月と同じで、家族や親戚で家に集まってみんなで豪華な食事をとるというのが普通の過ごし方のようでした。
また、中国正月の時には、日本のお年玉のように、アンパオ(お金を赤い小袋に入れたもの)を子供たちにあげる習慣があります。でも、あげるのは子供だけではなくて、会社の部下とか、コンドミニアムの掃除や警備をしている人にもあげるということで、我が家でも結構ばらまきました。 中国正月の時の風物で、ライオンダンスというのがあって、これは香港などでも有名なので、テレビなどで見たことがある方もいらっしゃるでしょうが、日本の獅子舞のようなもので(日本の獅子舞より動きはかなりハードです。)、家々を回ってダンスを披露したり、人の出るスポットに現れてダンスをします。このライオンダンスの一団(一座?)はトラックに乗ってやってくるのですが、やって来るとき、太鼓や鉦をやかましくたたいて来るので、遠くから太鼓の音がしてくると、窓から顔を出したり、外に出て、近くに来るのかなあと一座がやってくるのを待っていました。でも、もちろん予約しないとライオンダンスは家には来てくれませんが。
ハリラヤプアサとディーパバリのときも街はにぎやかになり、特にディーパバリは「光の祭り」であり、インド人街の通りは、たくさんのイルミネーションで、とてもきれいになります。なお、ハリラヤプアサは断食明けのお祭りですが、この断食の時期(ラマダン)には、マレー系のシンガポーリアンは日中はお腹が空いて機嫌が悪いので、あまり話しかけない方がいいと噂されていましたが、本当かどうか...。

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