ジョブホッピング
シンガポールのサラリーマンやOLは、頻繁に転職を繰り返し、今の職場より少しでも条件の良い職場が見つかるとすぐに転職するというのが普通だということです。これは"Job Hopping"と言われており、我々日本人にはなかなか理解しにくいことです。日系の企業では、現地の職員を雇って研修を受けさせ、やっと仕事が一人前にできるようになったと思ったら、その研修を受けたことを武器にして、さらに給料の高い職場に移ってしまうということがよくあり、少しでも長く働いてもらおうと苦労しているということです。私のいた職場でも現地のスタッフを雇ってもすぐに辞めてしまうということが多かったようです。
ただ、これも、シンガポールの景気がいい時の話で、アジア経済危機の影響でシンガポールの景気も悪くなってからは、企業側が採用を手控えたため、今の仕事をやめても、必ずしも次の職に就くことができるかどうかわからないということから、Job Hoppingもあまり行われなくなってきたようでした。
また、平日の昼にオフィス街を歩いたりした時に感じるのが、女性の姿が非常に多いということです。サラリーマンのうちの7割くらいは女性ではないかというほど女性が多く感じられます。これは、男性にはちょうど学生の時期にナショナルサービス(兵役)があり、大学を卒業するのが女性より遅くなるため、ホワイトカラーの仕事に女性が進出しやすいということがあるようですが、その他に夫婦共働きが普通であり、そのための社会環境が整っているということがあると思います。この夫婦共働きが一般的になったのは、建国当時、政府が少ない人口を少しでも労働力に回そうと夫婦共働き政策を進め、そのための社会環境を整備していったことによるということです。
現在のシンガポールにおける雇用の状況というのは、日本と同じように肉体労働を嫌うようになっており、ホワイトカラーの職業に就きたがるようになったことと、経済発展のために、いくら共働きにしてもシンガポール人だけでは足りなくなったようで、外国人労働者がたくさん入り込んでいます。出稼ぎ労働者としてシンガポールにやって来ているのは、男性はバングラディッシュやインドネシアなどからやって来て建設現場などで働いている人が多く、女性の場合は、フィリピンやインドネシアからやって来て、シンガポール人家庭に住み込みでお手伝いさんとして働く人が多いようです。

ここでもシンガポールの言語教育が成功しているなあと感じるのは、フィリピンからやってきたお手伝いさんとは英語で会話できるわけですし、また、インドネシアからやってきたお手伝いさんについても、シンガポールではマレー語が一応国語となっているため、マレー系国民に限らず中国系の国民も片言のマレー語は話せる人が結構多いのですが、マレー語とインドネシア語が非常に似ている言語であることから、シンガポール人はマレー語でインドネシア人とコミュニケーションをとることができ、外国の労働者も働きやすいしシンガポール人も雇用しやすいということになっています。

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