シンガポール滞在記 2005年シンガポール旅行記 2002年シンガポール旅行記 シンガポール旅行サポート イベントカレンダー

1998年4月 4日

シンガポールの受験戦争

シンガポールの教育体系は、小学校(6年間)、中学校(4年間)、ジュニア・カレッジ(2年間)から大学(3~4年間)というコースと、中学校からポリテクニック(3年間)というコースがあります。そして、各学校の終了時に、国レベルで実施される試験があり、その結果に応じて進学する学校の種類や進学先で受ける教育の内容が決定されることになります。また、小学校の場合は、過去の成績による振り分けが4年生終了時に行われて、5~6年生の教育の内容が決められます。

つまり、極端に言えば、小学4年生の終わりに、ある程度の人生の進路が決まってしまうということになります。厳しいですね。なお、シンガポールではすべての子供には、小学校から中学校まで、最低10年間の教育を受ける機会が与えられていますが、日本のような義務教育ではないということです。実際に、10代前半の子供たちが学校に通わずに働いているというのも見かけることがありました。

シンガポールの教育制度において注目される点として、「二言語主義」があります。これは、イギリス植民地下の国際貿易都市として発達してきた歴史的条件及び多民族国家という社会的条件を反映しており、法律、商業、技術の用語である英語の他に、各民族の母語である華語(北京語)、マレー語又はタミール語を習得させて文化的伝統を継承させようとするものです。なお、国語はマレー語ですが、これはシンガポールの政治的事情によるもののようで、シンガポーリアンが皆話せるわけではありません。

次に各レベルの学校については、まず小学校については、主に語学と数学の基礎の習得を目指す1~4年生の基礎段階と、5~6年生のオリエンテーション段階に分けられます。生徒は、4年生終了時に行われる試験の結果で、学習能力に応じてEM1、EM2、EM3の3コースに振り分けられます。EM1コースは最も高度な学習を行い、生徒の割合は、全体の20%弱です。大多数の生徒は、中間のEM2コースであり、残りの10%弱の生徒がEM3コースとなり、その学習内容は基礎的なものになります。そして、6年生終了時に初等教育終了試験が政府により実施され、生徒の能力に応じた中学校でのコースが決定されることになります。なお、シンガポールのほとんどの小学校は、午前と午後の二部制をとっているということで、朝の6時くらいから学校に行く小学生を見かけます。

中学校でもスペシャル・コース、エクスプレス・コース及びノーマル・コースに分けられ、ノーマル・コースはさらに学術コースと技術コースに分かれています。各コースの生徒の割合は、1993年における1年生の例で、7%、46%、47%です。コースにより4年生終了時におけるテストが異なり、スペシャル・コース及びエクスプレス・コースの生徒はシンガポール・ケンブリッジ「普通」教育認定レベルの試験を受けます。この試験の成績により、その後の教育における進路が決まることになります。また、ノーマル・コースの生徒は、「標準」教育認定レベルの試験を受けます。なお、いずれのコースも4年間ですが、ノーマル・コースの中で成績優秀な生徒は、もう一年勉強し「普通」教育認定の試験を受けることができます。

<観光スポット セントーサ島>
sentosa.jpg

 

大学進学を目指す生徒は、ジュニア・カレッジに進学し、2年生終了時に実施されるシンガポール・ケンブリッジ「上級」教育認定レベルの試験に備えることになります。また、中学校の卒業生で、工業技術や商業に興味のある生徒は、専門学校のポリテクニックに進学します。その他、中学校の卒業生に工業的な教育や訓練を行う施設として、技術教育研修所があり、生徒は様々な職業検定の合格を目指して勉強します。

次に大学については、シンガポールには、大学は現在シンガポール国立大学とナンヤン工科大学の二つしかなく、両校とも入学するには「上級」教育認定試験で一定の成績をとる必要があります。また、国内に大学が二つしかないせいか、海外の大学に留学する学生もかなり多いようです。 以上のように、シンガポールでは、小学校から始まる厳しい選別、振り分けが教育の基本にあり、それが優秀な人材を育ててきていると言えます。

見方によっては、日本以上に厳しい受験戦争社会と言えるのかもしれません。また、学歴社会という点でも日本以上であり、給料は、高卒と大卒、大卒よりマスター取得者では明確に違いがあるということで、日本では大卒でストップし就職するのが普通ですが、シンガポールでは大学を卒業して就職した後でもマスターを取って高い給料の仕事に就くために、貯金して海外の大学でまた勉強するということもよくあるようです。

コメントする