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1998年4月28日

シンガポールのタクシードライバー

シンガポールのタクシー会社のシステムは、日本と違っていて、基本的にすべて個人営業のタクシーだということです。シンガポールには数社のタクシー会社があって、どのタクシーもいずれかの会社に所属してはいるのですが、タクシー会社とドライバーの関係はというと、ドライバーは会社から給料をもらうわけではなく、毎週タクシー会社に会社名使用料のようなもの?を会社に支払うほか、客が会社に電話するなどして会社を通して予約を受けるなどしたときは、1件につき会社側にいくら手数料を支払うということになっているようで、基本的に客からのタクシー代はすべて自分の収入になり、そこからタクシー会社に手数料を払っていくということになっているようです。また、自分で車を持っていないドライバーは、会社から車をリースする代わりに毎週会社にリース料を支払うということです。

したがって、日本のタクシー会社のように、車両を使い回しするということはないようで(何人かのドライバーが共同で車を持ち、交代で使うということはあるようですが)、ドライバーが休みのときは自家用として家族を乗せて走っているのをよく見ます。そのためだと思いますが、シンガポールではタクシーの台数は非常に多いのですが、使いまわしをしないので、実際に街を走って営業している台数というのはそれほどではないような気がします。また、夕方の退社時間頃になるとタクシーが非常に混んで、なかなかつかまえることができません。そして、深夜12時近くになると、急に街にいるタクシーの数が少なくなります。これは、12時を過ぎると深夜料金となり50%増しの料金になるため、12時になるのをどこかで待っているタクシーが増えるためです。

また、今でも、結構悪いドライバーはいるようで、お土産物屋の前など観光客がいそうな所で客待ちをしていて、あまりシンガポールのことを知らないような観光客が来ると、メーターを倒さないで、「〇〇ホテルまでは20ドルだ。」とか言って、高い料金を取るドライバーがいるようです。私もDFS(日本人観光客が行くところには必ずある免税店ですね)で買物をした後、その前で客待ちをしていたタクシーを拾おうと近寄っていったら、どこまでだと聞くので、「〇〇コンドミニアムまで」と言ったら、急に「ダメダメ!」と手を振って断られてしまいました。彼らは、私の行き先から、私がシンガポールに住んでいることがわかって断ったのでしょう。きっと、どこかのホテルまでと言ったら、私をシンガポールのことをよく知らない観光客だと思って、高い値段をふっかけてきたのではないかと思います。

ある時、家族と一緒に買物に行って帰るときにタクシーを拾い、行き先を告げたところ、ドライバーも「わかった」ということで、タクシーを発車させたのですが、どうもいつもと道が違っている。何かものすごく遠回りをしているような気がして、最初のうちは、きっとたちの悪いドライバーでわざと遠回りをして料金を稼ごうと思っているのだろう。まだ20歳代前半くらいの人のよさそうな若いドライバーなのに...と思っていたのですが(実際、特に客が道に詳しくない観光客だったりすると、このようなドライバーもいます。)、あまりにもめちゃくちゃな方向に行こうとするので、途中から道を指示して、やっとコンドミニアムまでたどり着きました。

お金を払う段になったので、どうやって文句を言ってやろうと考えていたら、そのドライバーが一言ポツリと、「いくらだったら払ってもらえるのでしょうか?」。その青年は、結局道がわからなかっただけのようでした。だったら、最初からどうやって行けばいいのか聞いてくれれば、無駄な時間を過ごさなくても済んだのにとも思ったのですが、その素直な態度に、まだ慣れていないんだろうなあと少しかわいそうになって、いつものタクシー代よりは安めではありましたが、ちゃんと払ってあげました。これがシンガポーリアンの客だったら、きっと文句をいいだけ言って1銭も払わないでタクシーから出てくるんだろうなあ。

<バス停>
バス停

 

またある時、仕事帰りに会社の同僚とちょっとお酒を飲んだ後で、家に帰ろうとタクシーに乗ったところ、そのドライバーは40?50歳代のおばさんでした。運転しながら話しかけてくるので、話をしていると、最初は「結婚しているのか。家族と一緒に住んでいるのか。」という話や「仕事でストレスがたまって酒を飲んできたのか。」というような話をしてきたので、「そうだ。」と答えると「酒を飲みに行ってもストレス解消にはならないぞ。家では奥さんが帰りを待っているのだろう。」という話になり、それから「いつも酒を飲みにばかり行っていないで、たまには早く家に帰って奥さんとお茶でも飲みながら、ゆっくり話でもしてみなさい。きっと仕事の疲れも吹き飛ぶから。」と暖かいご指導をいただきました。

私も「なるほど、そうだなあ。今度そうしてみるよ。」と言ったら、「そうだろう、そうだろう、きっと奥さんも喜ぶから。早く帰って奥さんとお茶を飲みながら話をするのが一番だ。」としつこくご指導くださるではありませんか。もしかしたら私の妻の回し者か、あるいはこのおばさんのだんながひどい酒飲みで毎晩遅く帰るので、私相手に文句を言っているのだろうか、といろいろ考えましたが、まあ親切なドライバーさんなんだろうなということで、ほのぼのとした気分で家まで送ってもらいました。

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