シンガポールのお手伝いさん
私の妻は、シンガポールでの妊娠後の調子があまりよくなくて、シンガポールの病院に2回入院した後、帰国して出産することにしたのですが、妊娠後はつわりがひどく、一日中寝ていて家事をするのが全くできないような状況でした。日本だと実家の母親に手伝ってもらうとかできるのでしょうが、日本から遠く離れたシンガポールではそうもいきません。実は、私の家では、妻のお母さんにシンガポールまで来てもらって、家事をやってもらったりもしたのですが、何週間もいてもらうというわけにもいきません。そこで、シンガポール人のお手伝いさんに家事をお願いすることにしました。このように簡単にお手伝いさんをお願いできるのが、日本人がシンガポールでの出産を希望する大きな理由です。
私の家でお願いしたお手伝いさんは、普通の中年女性のシンガポーリアンで、それほどお手伝いさんの経験はないということだったのですが、同じコンドミニアムに住む日本人の方が出産した時にお願いした人だということから、私の家でもお願いすることにしました。
なお、シンガポールには出産専門のお手伝いさんもいて、出産後数か月間、住み込み又は通いで赤ちゃんの世話や出産後のお母さんの世話をしたり、家事もしてくれるということで、日本人の家庭でも、出産後日本から親戚の人に来てもらって手伝ってもらうということができない人は、多くの人がお願いしていたようです。もちろん、シンガポールの日本人家庭では、出産時に限らずお手伝いさんをお願いして家事をしてもらっている家がたくさんありますが。
これは、日本人家庭に限ったことではなくて、シンガポール人は、共働きが一般的なため、インドネシア人やフィリピン人の女性の住み込みのお手伝いさんを使っている家庭がたくさんあります。給料も、住み込みの場合確か一月4万円程度で済むため、私の住んでいたコンドニミアムでも、多くのシンガポーリアンの家庭では住み込みのお手伝いさんを使っていたようです。シンガポール政府の方でも、外国人のお手伝いさんが働きやすくしているようです。
我が家でコンドミニアムに住み始めたとき、妻がコンドミニアムの遊び場で子供を遊ばせていると、シンガポーリアンのおばあさんに、お手伝いさんと間違われて話し掛けられたことがあったそうです。私の妻は、どこの国からやって来たように見えたのでしょうか?
さすがに日本人は住み込みのお手伝いさんに慣れていないせいか、通いのお手伝いさんをお願いする場合が多いようです。私の家でも、お手伝いさんをお願いするのは初めてなので、お手伝いさんがやって来る日は、あまり部屋を汚していると恥ずかしいということで、あらかじめ掃除をしておいたりと、変に気を遣ってしまいました。掃除してもらいに来るのに...

ところで、シンガポールでなぜインドネシアやフィリピン人のお手伝いさんが多いのかというと、もちろん各国の経済的な事情というのが最も大きい理由ですが、その他に、フィリピン人は英語が話せるため言葉の問題がないということ、また、インドネシア人も、インドネシア語はマレー語と似た言語であり、マレー語がわかれば大体話が通じるのですが、シンガポール人はマレー系に限らず、中国系でも片言のマレー語は結構話せることから(国語ですから)、同様に言葉の問題がないということがあるようです。いずれにしても、シンガポールにはたくさんのフィリピン人、インドネシア人、バングラディッシュ人などが、女性はお手伝いさんとして、男性は肉体労働者として働きに来ており、休日の日曜日には、街のあちらこちらにそれぞれの国の人が数百人単位で集まってぶらぶらしたりおしゃべりをしている姿を見かけます。
我が家でお願いしていたお手伝いさんは、シンガポール人でしたが、中年のおばさんなので英語はあまり達者でなく、英文を書くことはできなかったようですが、それでもちゃんと英語を話し、コミュニケーションをとることはできましたし、人柄もよく子供もなついていたようです。ちなみに、名前は"Susan"です(中国系のおばさんが"Susan"というのは、慣れないと、ちょっと無理があって...)。ただ、食事もお願いしていたのですが、食事だけは、日本人ということで変に気を遣ってくれたせいか(それとも料理が得意でなかったのか?)、妙に薄味のあっさりした料理が多く、屋台などで食べられるおいしいシンガポール料理を期待していた私たちには、ちょっと期待外れのものでした。一度、私たちのためにわざわざ味噌汁を作ってくれたことがあったのですが、だしをとるのを知らなかったようで、できあがりは、味噌味のお湯になっていました。
それから、シンガポール人は、お手伝いさんを使うのに慣れているせいか、あまり扱いがよくないということを聞きます。あるとき、休日にレストランで、お手伝いさんも一緒に食事をしているシンガポール人の家族を見かけました。はじめは、お手伝いさんもレストランに連れてくるなんて、やさしい家族なんだなあと思っていたのですが、よく見ていると、お手伝いさんの前には料理がなく、彼女は子供の料理の残り物を食べているようでした。要は食事中子供の世話をさせるために連れてきただけということなのでしょう。我々日本人から見ると、ちょっとかわいそうだなあと感じてしまいました。
同じコンドミニアムに住んでいた奥さんが、隣りの家で住み込みで働いていたフィリピン人のお手伝いさんに、今の家はあんまり待遇がひどいので、日本にお手伝いさんとして連れていってくれないかと頼まれて困ってしまったという話も聞きました。日本人の考え方が甘すぎるのか、シンガポーリアンが厳しすぎるのか... なお、このお手伝いさんのことを、シンガポール人はmaidと呼んでいましたが、我々日本人は「アマさん」と呼んでいました。語源は中国語なのでしょうか?

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